2013年7月14日(日)私立中高一貫校スクールフェスタ

2013スクールフェスタ開催 私立中高一貫校スクールフェスタを開催しました

2013年7月14日(日)国際交流会館で、岡山の中高一貫校を考える会主催の第2回「私立中高一貫校スクールフェスタ」が行われ、約200名の保護者や生徒様が参加されました。

 岡山県の私立中高一貫校が集い、これからの中高一貫校教育を考える講座や各校の個別相談会が行われるスクールフェスタ。

 小学生には多少難しい内容と思われる講演やパネルディスカッション中にも集中して聞いている児童が多く、 中高一貫校への興味の高さが感じとれました。

 また、講演の後には「各学校の制服当てクイズ」も開催され、正解者した子には各校のオリジナルグッズなどが手渡され、昨年より 一層活気のあるフェスタとなりました。


2013スクールフェスタ各校個別ブース 2013スクールフェスタ制服当てクイズ


基調講演『私立一貫校と英語教育』

日本英語検定協会 顧問 佐伯 一行氏



 現在、中学受検を考えておられる生徒の保護者の中には、自分の小学生時代の学びを覚えておられる方も多いでしょう。 しかし、時代の流れは激しく。学習内容も指導方法も、多くの保護者の方の時代とは、あまりにも大きな差が生まれています。

 保護者の方々の時代の教育が正解を一つひとつ当てはめるジグソーパズル型と言うなら、今の子どもたちの指導はレゴ型。 一つの正解じゃなく、自分の考えや実力を積み上げていく学習方法に変化しているのです。 そして、知識をひたすら覚えるのではなく、側にいる人間と知識を補い合い、手をつないで、大きな力としていく能力も必要とされます。

 一方、社会全体は成長社会から成熟社会へと変動しています。今20歳を迎える人は、生まれた頃が日本の経済成長のピークであり、 そこから徐々に下降する不況の中で育ちました。今回の選挙を超えて、アベノミクスと呼ばれる政策がどこまで発展するのかはわかりませんが、 多くの生徒たちは疑う心をつけたのは確かです。 数学で方程式を教えても、それが本当なのかどうか、生徒が疑います。この疑う感覚が、これからの時代には大切になってくるでしょう。

 さて、その時代の流れの中で、グローバル教育が叫ばれていますが、その根本となる英語教育に関して、80%の生徒や保護者が現在の教育に 不満を持っているという結果が出ています。自民党では教育再生事業を立ち上げ、その中で教員の英語教育から改正しようという動きを見せ始めました。 高校卒業までに英検2級といった資格を取らなければ、教員免許は取得できないなどの厳しい条件を加味する方針です。

 私自身も今の英語教育には疑問を持っていますが、本当に心配なのは基本となる国語教育が万全なのかということです。 基礎となる日本語をしっかりと理解し、その上で外国語を学び、さらに知識と技術を身につ付けた、集団のリーダーとなれる人材。 それを世界は必要としています。中高一貫校の6年間で、そのリーダーとなるノウハウを獲得するためにも、日本語力を、そして 英語力をしっかり身に付けていただきたいと考えています。

各中高一貫校 英語教育の状況 パネルディスカッション



2013スクールフェスタパネルディスカッション

 文部科学省が小学校低学年にも英語教育を義務化していこう動きを見せている状況で、すべての 学年において、英語教育が注目されています。 大学入試にTOEFL導入の動きがあり、岡山県では、岡山大学が留学生を増加、岡山市内にも 国際化を持つ大学が新設されるなど、中高一貫校においても英語教育が重視されるようになってきました。
 そこで、各中高一貫校に自校の英語教育の状況を語ってもらいました。 各校の要旨をご紹介します。


朝日塾中等教育学校 中西 理佳子先生

生徒たちは進路によって、文系・理系に分かれて授業を受けるが、「英語が苦手だから理系に」 と主張する生徒が出ることのないように、現役合格を目指し指導を行う。


岡山学芸館清秀中学校 ロス・タロック先生

目標としては中学3年で準2級、高校卒業時に準1級取得。会話力も修得し、街で外国人に 話しかけられても、英語で考え、話すことができゆ程度には力をつけていく。


岡山中学校 三宅 克彦先生

途中でつまずいても、決して英語嫌いにさせないよう指導。クラス担任と教科担当でフォローし、 到達目標まで導く。また、習熟度に合わせ進度も変化させる柔軟な指導内容を組む。


岡山白陵中学校 園部 慎司先生

小学校英語と中学は違うものと考え、文字と音とを結びつける基礎から入る。 集中力をつけるのに70分間授業を実践。また、本物の英語にも触れる機会を与え、生徒の能力を磨く。


岡山理科大学附属中学校 山根 美佐夫先生

大学現役合格を目指す知識と、コミュニケーションツールとしての英語の両方を伸ばす。 また、外国人学生と触れ合ったり。海外ホームスティなどで、生きた英語も取得可。


金光学園中学校 鈴木 公子先生

英語で意見を発表できるだけの能力を身につける。また、海外の姉妹校と交流しながら、 生きた英会話とともに、聞く・読む・書くそれぞれの力を成長させる。


山陽女子中学校 今城 陽子先生

卒業後は英語で自分の意見を主張できるよう、話せる英語、使える英語力をつける。 また、授業で習った英語を実際に役立てることで興味を持たせ、TOEIC800以上を取得する。


就実中学校 秋山 圭子先生

ネイティブ講師の英会話などで、基礎英語力を定着。最終的には外部入学生も内部進学生も、 高2までに全員が英検2級以上を取得できるように指導する。


清心中学校 森 雅子先生

他の国の言語を学ぶということは、他の国の文化を理解することであると指導。 英語のコミュニケーション能力を伸ばし、国際人としてあらゆる分野で活躍できる人材を育成する。


私立中高一貫校スクールフェスタ プログラム


時 間 内 容 講演者(敬称略)
10:00 岡山の中高一貫校を考える会 理事長挨拶 岡山の中高一貫校を考える会
   理事長 本原康彦
10:05 基調講演 「私立一貫校と英語教育」 日本英語検定協会 顧問 佐伯 一行
11:00 パネルディスカッション 朝日塾中等教育学校 中西 理佳子
岡山学芸館清秀中学校 ロス・タロック
岡山中学校 三宅 克彦
岡山白陵中学校 園部 慎司
岡山理科大学附属中学校 山根 美佐夫
金光学園中学校 鈴木 公子
山陽女子中学校 今城 優子
就実中学校 秋山 圭子
清心中学校 森 雅子
12:30 各ブースにて相談 各学校のブースにて個別相談
制服あてクイズを実施
14:20 閉会のご挨拶 岡山の中高一貫校を考える会
   副理事長 小島達也

   総合司会:荒木 始男(西優ゼミナール)
   パネルディスカッション司会:柚木 真澄(柚木進学ゼミ)